220124アリス㈱のコピー用紙をお買い上げのお客様宛へのご連絡。
アリス株式会社です。いつもコピー用紙のお取引でお世話になっています。
本日は「ペーパーワン」ブランドのコピー用紙の値上げの可能性につきご連絡します。
他のブランドのコピー用紙も同じような状況にあります。
この文書にてその背景を皆様にご通知しご理解いただき変化に対応して頂けるように予めご準備をしていただきたくお願いします。
以下その背景や経緯を思いつくまま羅列しました。
記
(仕入先国際紙パルプ商事/KPPとの交渉)
昨年2021年11月以降仕入先のKPPより車取りで15~20%、小口配送では30~40%の値上げの申し出がありました。「非常識で唐突な値上げ要求でとても受け入れられない」旨をアリスはKPPに申し入れそれを押し戻して今日に至っています。すでに足掛け3ケ月に及ぶ交渉を4回行った結果です。
(KPPの言う値上げの根拠)
その根拠は輸入にまつわる諸経費が高騰しているのに加え国内の小口物流経費の高騰をKPPはあげてこられました。
それに対してアリスは「マーケットが価格を決める」ことを話し、KPPの言う「原価が上がっていることでの値上げ」は飲めない。
値上げが出来る「環境が整のったらそれを行う」旨の回答をして年末から年始に掛けてその取引につき4回以上の攻防を繰り返して今日に及んでいます。
その結果現時点の状態をご報告して皆様にそのための準備のための情報をお送りします。
これらをお含みの上で今後ともアリスとのお取引をお願いします。
(KPPにアリスが言っていること)
次のようにアリスは言ってKPPの要求を突っぱねて今日に及んでいます。
KPPの言う値上げ要因はいずれもそれを認める。原料パルプの高騰、輸入海上運賃の高騰、為替の円安の状況そして国内の人手不足での物流費が高騰していることは客観指標を見てアリスは理解しそれを認める。従ってKPPの値上げ要求は理解できる。
しかし一方ユーザー向け価格はKPPの言う仕入れ等の原価で決まるものではなく、日本市場での市場価格できまるものである。簡単に言えば市場価格は商材の需要供給のバランスで決まる。又コピー用紙価格は売り手市場ではない。買い手市場である。その買い手市場のプライスリーダーが認めたときに決まるものである。
コピー用紙のプライスリーダーは文具通販会社アスクル、カウネット、たのめーる等のカタログ通販会社やネット通販アマゾン、楽天である。
(以下これらをまとめて「大手通販会社」という)
そのためにKPPのやるべきことはこれらの大手通販会社にまず価格値上げを認めさせることと、April 社に日本のマーケット事情を理解させることに全力を挙げてほしい。値上げ交渉をするなら安易にアリスと交渉する前に大手通販会社との価格改定に注力してほしい。
マーケットシェア―の低いアリスにそしてアリスの代理店に間違っても「価格値上げの先兵」の役割をさせることはしないでほしい。アリスやその代理店は取引を失うだけである。KPPもそれでは困るであろう。値上げを認めてもらう前述環境作りをしてほしい。
そもそも市場価格が上がらないのは需要が供給を下回っているからではないか。ITの時代になってデーターの管理保管はコピー用紙に代表される紙媒体ではなくなってきている。
紙ばなれが叫ばれコピー用紙は現在衰退商材となっている。
その中でメーカーや輸入大手の川上主体の価格値上げの打ち出しが通用しない時代になっている。それもあって上述の「通販会社の値上げ」と「輸入元のApril 社への交渉」をするのが今KPPの仕事ではないか。
(現時点でのKPPとアリスの合意事項)
そこで現時点でKPPとの合意事項を皆様にお伝えしてご理解を頂きたく考えました。
アリスが値上げを打ち出したときにはその準備期間は「1か月以内になることも止むなし」と考えていただきたい。
(値上げ打ち出しをするとなるとその時期)
大手通販会社のカタログ改定が明らかになるであろう2022年3月上旬になることから
3月20日頃がその値上げ時期になろうかと推察する。
アリスからの皆様への通知は3月10日くらいになろう。
勿論大手通販価格の値上げが明確になるのが早まればそれに合わせて皆様にご通知する。ご理解ください。
(価格改定をするとしてその値上げの幅)
その値上げの意思決定は「先に述べた市場価格を決めることのできる大手通販会社のカタログの更新される2022年02月の新カタログ価格から推定される卸売価格(カタログ価格の90%程度か)を合意算出してそれにスライドしての「アリスとの価格を決める」とういうところで現在概ね折り合っているのが現状です。
(値上げの実施とその準備)
その辺皆様にはご理解を頂き価格の修正があってからは短期間にそれへの移行をすることにつきご理解を頂きたく予めご連絡をします。出来れば値上げを回避し、それをするとしても競争で負けない様に値上げ幅を極力小さくし、それも値上げ打ち出しをアリスが先行しなくても済むように「ぎりぎりの交渉」をします。そのための準備(必要最小限の在庫の買い増し等)をお願いします。
(アリスのコピー用紙の取引の簡単な経緯)
アリスは代理店の皆様には何時も「ペーパーワン」ブランドのコピー用紙のお買い上げいただきありがとうございます。
コピー用紙の取引を1985年当時に開始し主に国産紙の取引をしていました。一時は月間1000トン(150百万円/月)の取引をしていました。国産紙が需要逼迫で極端に値段の高騰があったときに今では当たり前になったインドネシアのAPP社のコピー用紙を業界に先駆けて輸入を開始したのがアリスでした。
その後、輸入紙が国産紙を圧倒して今日ではコピー用紙の市場は輸入紙が過半を占めるに至っています。そんなこともあって価格競争になりAPPをはじめとして海外勢も日本に法人を作り国内に在庫を持つようになって以降は輸入紙の価格優位性は崩れ値段だけが取引を決める要素になってきました。
代理店の皆様もアリスがコピー用紙の数少ない輸入者であった時期には競ってその取扱いをして頂き一時はアリスの代理店様の数も1000社を超える時期もありました。
一方輸入紙の一般化はこの市場での価格競争を呼び、流通口銭の縮小を余儀なくされました。2000年以降はアスクル、カウネット、たのめーる等のカタログ通販会社が、そしてアマゾン、楽天もがそれに参入し彼らがその販売力を背景に価格主導権を持つようになりました
それと共にアリスの代理店様も激減しました。アリスは2000年以降、輸入紙としては後発の新規参入者で品質が良くしかも流通網を際限なく増やしたAPPのような政策をとらないインドネシアのAPRIL社の総発売権を取得していた「国際紙パルプ様(KPP」との取引に仕入れを絞り込みました。
APRIL社/KPP社と組んで乱売合戦をしないことを期待してその後はKPPに仕入先を絞り、商材もAPRIL社の「PaperOne」に国産はKPPに絞って丁寧にその販売をしてきて今日に及んでいます。そのような歴史的背景もありKPPにはそれなりの交渉力を持っていると考えています。
以上